地域別
雨水を集め、切り立つ断崖から轟音とともに飛び散る「水」
森を潤す雨
緑の森にしとしとと降り注ぐ雨。
周囲の火山の噴火活動によってできた高層湿原であり、日光国立公園に含まれる尾瀬。
標高約1,400〜1,600mの広大な高原地帯では、夏の天気は崩れやすく、頻繁に雨が降ります。
冬の豪雪の雪解け水と合わせて、尾瀬地域一体は豊かな水源地として周辺地域の水がめ的存在でもあります。
豪快な賀老の滝
雨水をかき集めた水の流れは、山岳地の奥深い断崖から轟音と共に豪快に降り注ぎます。
北海道随一の規模を誇る「賀老の滝」。(日本の滝100選) 水煙を上げながら凄まじい勢いで地面をたたきつける姿には言葉を失います。
海岸沿いの道から別れ、車でも疲れる細い山道をひたすら登り続け、長い遊歩道を経てようやくたどり着いた秘境の名瀑をご堪能ください。
壮観な華厳の滝
滝上部の激流
ほとばしる豪瀑。
和歌山県の那智の滝、茨城県の袋田ノ滝とともに「日本の三大名瀑」の一つに数えられる華厳の滝。(もちろん日本の滝100選。)
中禅寺湖から流れ出た川が、97mの断崖絶壁を壮絶に降下する様は、まさに圧巻の一言に尽きます。
主瀑の両側にある十二滝と呼ばれる小瀑布と共に、轟音を伴い太い水柱となって落下する大瀑布。自然が生んだ、その華麗な造形美には言葉を失います。
激しく飛び散る瀑流
断崖から飛び散る水しぶき。
飛騨三大名瀑のひとつ、平湯大滝(日本の滝100選)。落差64mの絶壁から落下する水しぶきは、激しく飛び散り、水霧と化します。
乗鞍岳や穂高岳などの周辺の名峰から雨水をかき集め、絶壁の断崖を勇壮に降下する水の旅はまだまだ続きます。
渓谷へ落ちる
滝の降下口
渓谷の水柱。
2,200万年前に、海底火山の活動によって噴出した火山岩が、鬼怒川の流れによって侵食され、現在のような景観になったといわれる「龍王峡」。入り組んだ渓谷沿いに、様々な形状の大岩・奇岩が点在します。
その渓谷に懸かる虹見の滝は、両側面と上部の降下口を様々な角度から眺めることができ、特に虹見橋から見る景観は、清流が緑に輝き、渓谷へ勢いよく飛び込む白い水柱との対比が本当に見事です。
隆起した岩を滑る
断崖を落ち行く水
岩壁をしたたる水流。
長い年月の風化と浸食により様々な地形の表情を見せてくれる「龍王峡」。
渓谷沿いの断崖のあちこちで小さな水の流れが渓谷に合流してゆきます。名もなき小滝として、今も岩肌を滑らかに、しかし確実に侵食させ続けているのです。
セミが鳴く暑い夏に涼をもたらしてくれると共に、悠久の時の流れを気付かせてくれるのです。
石畳の大穴と滝
石畳の渓流と滝
石畳の芸術。
隆起した結晶片岩が文字どおり岩畳となって広がる長瀞。
国指定名勝及び天然記念物に指定されている石畳の対岸には、秩父赤壁と呼ばれる絶壁にその断崖を滑り下る明神の滝などがあり、その手前を静かに流れる荒川は、岩畳で緑に淀んだ瀞となり美しさを増します。
自然のダイナミックな造形に、ため息をつく瞬間です。
白糸の滝
千筋の滝
森を貫く白い糸。
うっそうとした原生林のなかを流れる清流、奥入瀬渓流。
渓流沿いには遊歩道が整備され、清冽な渓流と樹木が日本的な渓流美を堪能させてくれます。渓流沿いの道は、多くの滝があるので、「瀑布街道」とも呼ばれます。
しとしとと白糸が垂れるように静かに落ちる風情のある名瀑が、私たちをやさしく癒してくれるのです。
清廉な玉垂の滝
雨だれの滝。
草葺き屋根から落ちる雨垂れに似た奇観がとても美しい玉垂の滝。岡山県真庭市にある神庭の滝(日本の滝100選)の下流に続く美しい渓流沿いに、この小さな滝はあります。
まるで時雨のごとく、遠慮げに落ちていく水滴を眺めていると、心を静かに落ち着かせることができます。
滝壺付近のトンボ
湯川の激しい流れ
激流で涼む。
湯川は、湯ノ湖の南にある湯滝から流れ落ち、竜頭ノ滝を経て地獄川と名を変え、中禅寺湖の菖蒲ガ浜にそそぐ約12.4キロの短い川。標高約1400mの奥日光戦場ガ原の西側を南北に蛇行しながら流れ、川に沿って遊歩道が整備されています。
美しい湿原の中を静かに流れる湯川も、下流の竜頭の滝付近では、水量が増し流れも起伏に富み激しくなります。
岩に叩きつけられた水が霧となって舞う中、滝壺付近でトンボが涼んでいるのを見て、私たちもホッと一息つくことができました。
豪快な鱒飛の滝
水の造形。
鱒が懸命に越えようとして飛び跳ねてたことがその名の由来といわれる、鱒飛の滝。特別天然記念物に指定されている「吹割の滝」(日本の滝100選)のすぐ下流に位置します。
河床の岩盤の柔らかいところが長い年月をかけて浸食され、多数の割れ目を生じ、このような奇形の岩場を形成しました。
悠久の時間に想いを馳せながら、このダイナミックな激流に目を奪われるのでした。
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